クルクミンのアミロイドーシス病態に対する新たな作用経路の研究成果がeLife誌のオンライン版に掲載されました。

2021.01.26

クルクミン はウコンなどの植物に含まれる抗酸化・抗炎症作用を示すポリフェノール化合物であり、アルツハイマー病などのアミロイドーシス疾患において病態抑制作用を示すことが報告されています。当教室の代 助教は、マウスAApoAIIアミロイドーシスモデルを用いて、クルクミンによるアミロイドーシス抑制効果の詳細なメカニズムを検討しました。当初の予想に反して、クルクミン投与マウスではアミロイドーシス病態の重篤化が観察されました。その基盤として、転写因子Peroxisome Proliferator Activated Receptor α (PPAR-α)の発現増加に伴う脂質代謝経路の活性化によって、血中のApoA-II濃度の増加が関係することを明らかとしました。これらの研究成果は、アミロイドーシス発症のコントロールの解決策としての脂質代謝調節の可能性を示すものとして、eLife誌のオンライン版に掲載されました。

Jian Dai, Ying Li, Fuyuki Kametani, Xiaoran Cui, Yuichi Igarashi, Jia Huo, Hiroki Miyahara, Masayuki Mori, Keiichi Higuchi

Curcumin promotes AApoAII amyloidosis and peroxisome proliferation in mice by activating the PPARα signaling pathway

eLife, 2021;10:e63538